日本ソノケミストリー学会(旧称:ソノケミストリー研究所)
ソノケミストリー
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皆様になじみの深い超音波機器として超音波洗浄機があります。研究室や職場の実験室でも置いてあるところは多いのでないでしょうか。
そうでなくても,街のめがね屋にいけば必ず置いてあります。最近は洗濯機や歯ブラシにも超音波が使われるようになってきました。
皆様にとっては,超音波は洗浄のイメージが強いのではと思います。超音波の洗浄効果は,キャビテーションと呼ばれる気泡によるものだといわれています。
この気泡が収縮するとき生じる高速な流れが洗浄効果をもたらすとされています。この気泡が収縮するときにはその他にも様々な現象が起きています。
気泡の収縮は断熱的に短時間で起きますので,ホットスポットよばれる局所的に高温高圧の場が生み出されています。
ホットスポットの温度は数千度を超え,圧力も千数気圧を超えると考えられています。身近にある超音波洗浄機の中では,実はそのような極限環境が実現されているのです。 ホットスポットでは,極限状態にいたるためラジカルなどの活性種も生じます。すなわち,反応場を与え,様々な化学現象を引き起こします。 このように超音波キャビテーションよって生じるホットスポット周辺での反応場での化学をソノケミストリー と呼びます。
超音波自体は,光などに比べエネルギーレベルは低いのですが,キャビテーションの収縮現象によって,局所的に高いエネルギーの反応場である ホットスポットを形成させています。全体としては,常温常圧ですので大掛かりな装置の必要がない点が魅力の一つといえます。
ソノケミストリーの適用分野は有機化学,ナノ粒子など材料創製,医療応用,環境浄化など幅広い分野にわたっています。日本では,多くの研究者がソノケミストリーの 研究に携っており,日本はソノケミストリー研究では,世界のトップレベルの水準を誇っています。 ソノケミストリーに,興味をもたれた方はお気軽に学会庶務担当までお問い合わせください。
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大阪公立大学 大学院人間社会システム科学研究科 現代システム科学専攻
興津健二(日本ソノケミストリー学会 事務局)
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