日本ソノケミストリー学会(旧称:ソノケミストリー研究会)
昨年(2013年)10月の理事会・総会を経て、2014年4月より本会会長に就任いたしました。 副会長並びに各担当理事諸氏とともに本会の運営にあたる所存です。 また、諸先達が築きあげてこられた土台を基に本会の発展に尽力してまいります。 会員の皆さまのご支持とご協力をお願い申し上げます。 本ページは、本会会員以外でも「ソノケミストリー(超音波が関与する化学)」に興味・関心をお持ちの方にご覧いただいていると思いますので、ここで若干本会の紹介を申し上げます。 1992年に本会の前身「ソノケミストリー研究会」が、ソノケミストリー分野の研究者や技術者が情報を発信し交換する場として発足し、2007年、会員の皆様の要望・支持を受け「日本ソノケミストリー学会」に改称・改組いたしました。 現在の会員数は168名(2014年8月現在)で、毎年主催する「ソノケミストリー討論会」には100名前後の参加があり、他にも「超音波とマイクロバブルの相互作用に関するシンポジウム」等の主催・共催事業を開催しており、定期的に「学会誌」の発行も行っております。 また専門論文掲載の場として、"Ultrasonics-Sonochemistry"(Elsevier 社発行)も用意されています。 世界的にみても、1国内にこの様な組織体を擁しているところはなく、我国のみならず世界のソノケミストリーの学術および技術の発展に果たしてきた役割は大きなものがあります。 まさに、基礎から応用に至る研究をベースに、ソノケミストリーを支えてきた学会であります。 これは、歴代の会長をはじめ理事(研究会時代は運営委員)の方々の努力の賜物と心得、今後もそれを継承してゆかねばならないと思っております。 会員歴の長い方々や国際的にご活躍の方々はご承知のように、本会会員の研究活動は世界中から認められており、 これまでに本会が主催した2回の国際会議(2007年の京都および2011年の名古屋)への関心は高く、 また全世界から参加者がある欧州ソノケミストリー学会(European Society of Sonochemistry, ESS)の大会(Meeting, 隔年開催)でも注目され、 さらに昨年から始まったアジア・オセアニア地域会議(Asia-Oceania Sonochemical Society Conference, AOSS, 隔年開催予定)では、 これまでの経過を踏まえ主導的立場を担っております。 会員の皆さまの世界レベルでの活動を後援するためには、本会として何ができるかしっかりと見極め実行してゆかねばならないと存じます。 ところで、このように会員の研究レベルは世界的に見ても決して引けを取らない水準であるにもかかわらず、工業的な実用化の例が多くないという事情もございます。 学会の使命としては、基礎・応用の研究発展を促すことは当然ですが、その成果を社会に還元し貢献することも含まれていると思います。 そのためにはまず研究・技術情報の発信ということで、これまでも「ソノケミストリー討論会講演論文集」のバックナンバーの DVD 化(有料頒布)および無料公開(国立情報学研究所CiNii)が行われてきました。 また今年度より、学会誌(和文で年2回発行)の学術内容を充実させ活用していただくと共に、会員へ学会等の情報伝達を迅速化するため「ニュースレター」を新たに発行することにいたしました。 また、本会20周年企画として発刊した専門入門書「音響バブルとソノケミストリー」(2012年,コロナ社刊)を近日中に、改訂・増補し英文出版する予定もございます。 今後も、どのような情報発信が社会貢献に結びつく技術伝達となるか、皆さまの要望をうかがいながら、発信者として知恵を絞ってまいりたいと存じます。
以上のように、これまで20年以上にわたって積み重ねられてきました、先達および現役の方々の成果を、組織的にどのように将来に引き継いでゆくかを念頭において会長職を務めてまいります。
そのために、会員の皆さまとともに皆さまの学会をいかに発展させてゆくか考え行動してまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。 |
  | 日本ソノケミストリー学会会長 原田 久志 |
日本ソノケミストリー学会会長
原田 久志
(明星大学大学院理工学研究科)